【イギリス経験論の展開】ベーコン、ロック、バークリー、ヒュームの思想をわかりやすくまとめました
生徒からこんな質問を受けました。
「イギリス経験論でこの四人出てくるんですけど、全員違うこと言ってて何が共通してるのかわからないです」と。
確かに言ってることは全員違うんですが経験に焦点を当てているのが共通しています。以下詳しく見ていきましょう。
経験論とは
まず経験論とは、知識はすべて経験から得られるのだという主張だと思ってもらえれば大丈夫です。
デカルトなどが提唱した合理論は人間の理性から出発して知識は得られると主張したのに対して、経験論は理性ではなく経験から知識が得られるということです。
ベーコンの思想
この人が経験論を初めて提唱していったひとです。
ただ、人間には偏見をもって経験を意味づけしてしまうことに注意しようともいいました。
これが4つのイドラです。
ロックの思想
ロックは社会契約説とか色々言ってるんですが、経験論にも言及しています。
この人は人間は生まれながらに白紙で、そのまっさらな紙に経験によっていろいろな知識が書き込まれていくと言いました。
ベーコン「人間は経験命」
ロック「当たり前やろ。人なんて生まれた時白紙で経験でしか書き込み出来ひんねんやから」
こんな感じです。ロックはベーコンの思想を裏付けていきました。
バークリーの思想
バークリーも経験が大事だと言ったのですが、その経験には制約があると考えました。
人間の経験というのは知覚する中でしか起こりえず、知覚できないことは経験出来ないのです。ここから「存在するとは知覚されること」という言葉が出てきたのです。
ベーコン「人間は経験命」
ロック「当たり前やろ。人なんて生まれた時白紙で経験でしか書き込み出来ひんねんやから」
バークリー「いや人間の経験って完璧ちゃうで、気いつけや」
みたいな感じです。ベーコンとロックが展開した経験論を経験は知覚の中でしか起こり得ないというかたちで徹底させました。
ヒュームの思想
ヒュームはバークリーの思想をもっと徹底させました。
バークリーは知覚できるという範囲の中で物は存在していると言っていました。しかし、それが真の意味で、この世の実体として存在しているのかはわからないのです。例えば、目の前に机があったとしても、それは人間があると知覚しているだけで、本当は無いのかもしれないのです。
しかし、ここまでは知覚をする自分の存在は前提として考えられていました。
それもだめだと言ったのがヒュームです。自己すらも、机のようにこの世の実体として存在しているとすることは出来ない。人間はただただ何かを知覚するだけの知覚の束のようなものなのです。
まとめ
ベーコン「人間は経験命」
ロック「当たり前やろ。人なんて生まれた時白紙で経験でしか書き込み出来ひんねやから」
バークリー「いや人間の経験って完璧ちゃうで、気いつけや」
ヒューム「いやいや、人間すらホンマに存在してるとも言い切れんくない?」
こんな感じです。